人事制度を語る上で、よく出てくる等級制度という単語。深く内容を理解していない人も居るでしょう。等級制度とは何を指すのか、どうやって等級制度を作っていくのかをご紹介していきます。
等級制度とは
等級制度では、従業員をランクに分け序列化をした状態で業務を進めていく時に、権限や責任を与えることができる人事評価制度です。等級制度において3つの軸となるのが「能力」、「職務」、「役割」です。能力軸となるのが「職能資格制度」、職務軸となるのが「職務等級制度」、役割軸となるのが「役割等級制度」です。
従業員を等級に分けることで、個々に求める能力・職務・役割が異なるほか個々の責任の大きさや権限にも違いが生じるのが等級制度の大きな特徴です。役職や権限を与える基準を明確にすることができるため、適材適所に人を配置することができるようになります。
等級制度を利用することによって、人材を適切な位置に配置することができれば、会社全体の成長を促すことが可能です。さらに会社の理想の人員像を明確にすることもできるため、等級制度の採用は会社にとってのメリットが大きいです。どのような人物が会社に求められているかを明確化できれば、従業員たちのモチベーション・生産性の向上にも繋がることから等級制度は取り入れられています。
等級制度の作り方
等級制度を導入するために構築するとなれば、まずは準備段階として現状をしっかり分析しましょう。現在の人事制度の特徴を細かく確認した上で、現在の人事制度の問題点を分析します。現状を理解すれうことで理想形を作るために必要な要素を拾うことが可能です。
現状把握をした上で、役職と等級の基本的な方針を明確化します。役職内での等級の数や、職種ごとにキャリアコースを用意するようにし、大まかな枠組みを作ります。人事戦略はタイプが複数あるため、どの制度を使うのかを定めることも大切です。制度の洗濯によって人員を評価する軸も異なってきます。評価要件をしっかりと洗いだし、職種ごとに分けて制度を用意するという手段も必要があれば取るのがおすすめです。
評価要件が定まったら、枠組みに沿い等級を具体的に作っていきます。等級づくりがある程度できたら実際に社員1人1人に当てはめるシミュレーションもします。もしもシミュレーションの段階でずれを感じる部分が出てくれば、どこかにミスが生じているためミスのある部分を探し、修正していきましょう。等級制度の他にも、人事制度には大きく分けて2つの要素がありますが、他の2つの要素と整合性が取れているかもチェックしてください。